歯根破折からの低侵襲インプラント治療
今日は、子供の頭が前歯に当たり歯根に破折線が入ってしまったケースです。
基本的に、歯根破折になると、破折線に沿って周囲の骨が溶けます。
まれに、感染が少なく慢性化して症状もなく骨の吸収が止まっていることもあります。その場合は経過観察も選択肢としてあります。
破折に対する治療法はワールドスタンダードであれば基本抜歯になります。
骨の状態にもよりますが周囲の骨が残っているならインプラント治療で治療するのが有効ではないかと思います。
子供の頭が前歯に当たり前歯から膿と疼痛が出てきて来院されました。
レントゲンや症状から判断して歯根破折が疑われました。
当医院では症状のある歯根破折については必ず鑑別診断で破折線が入っているかCTもしくは目で確認しております。
実際に、歯肉からの排膿がある部位から見てみると歯根に破折線が確認でき周囲の骨が吸収していました。
今回、隣の歯がインプラントで治療しているためブリッジでの修復が不可能でした。また、抜歯後の歯肉の退縮は審美障害を引き起こすため大きな手術も不可になります。
そうなると、低侵襲で審美性を確保できる抜糸即時インプラントになってきます。
抜歯即時でインプラントを入れました。
余った抜歯窩のスペースには人工骨を充填しています。
最後に、結合組織を口蓋から採取して前歯のボリューム確保で移植しました。歯肉のボリュームがなければ経年的に歯肉が下がり審美障害を引き起こします。何度も手術すると歯肉が下がってくるので一度に全ての処置を行なっています。
手術時間は１時間掛からないくらいです。
術後は、仮歯が入るので歯がある状態で過ごしてもらいます。
↑左が仮歯の状態です。右が術後の状態です。
抜歯即時埋入インプラントの術後はほぼ腫れまっせん。痛みも少ないです。そして綺麗に仕上がります。
ただ、注意点として、まだ骨と着いていない状態で口腔内と交通しているということ。つまり、感染しやすくインテグレーションしない場合があります。
抜歯即時インプラントは簡単で腫れや痛みが少ないのですが適応症を守り、術前の診査診断、治療計画をしっかり建て行わなけば成功はしません。
